目に鱗な表現ばかり。ブックレビュー:日英語表現辞典 最所フミ著 ちくま学芸文庫




[no toc]

英会話の勉強しているとレベルの差こそあれ「使える表現を増やしたい!」と思うものだと思います。

ある程度までは単語帳的なものや、BCCやCNNのようなニュースサイト、English Expressなどの日英訳のあるもの、ラジオ英会話などやってきました。それぞれ長所があると思いますし、私もルーティーンでやっています。

それでも、ときどき思うことは「表現力が増えているのか?」という疑問。

そう思っているところ、面白い辞典を見つけたので紹介したいと思います。

辞典といっても、読み物として面白いです。

日英語表現辞典 最所フミ ちくま学芸文庫

この本は2004年に発売された後に絶版となったのですが、2018年にツイッターから復刻版の要望が盛り上がり、ちくま学芸文庫さんが遂に復刻したという、話題の辞典だそうです!辞典でバズるってあるんですね!

こんな人におすすめ!

中級者以上の英語学習者で

  • 英語での表現力を高めたい!
  • これって英語で何て言うんだろう?
  • 英語の微妙なニュアンスを知りたい

と思っている人におすすめです。

いろいろな表現力を知りたいと思っても、そもそも新しい表現にどう出会えばいいのか?というのは大きなテーマだと思います。冒頭に先述したとおり、多読多聴をしていくのも良いですが、もっとまとまった形で勉強したい人にはモチベーションを保つのが難しい瞬間があると思います。

ましてやひとつひとつの表現の細かいニュアンスなどは数をこなしても一朝一夕に身につくものでは無いですよね。

そんな中、この「日英語表現辞典」は英語独特のニュアンスを日本語でどう表現するのか、逆に日本語の微妙な言葉を英語ではどう表現できるかの例を辞書形式で提示してくれています。

そして筆者の目指すところは、英語は英語のニュアンスで理解して話すということ。英語のマインドセットで言葉を理解するということです。

筆者の言葉を借りるならば

私の見るかぎり、英語の発想法を日本語のそれとの比較において捉えればよいのである。英語には日本語のなかにない考え方があり、日本語は英語のなかにない考え方、感じ方が骨子になっている。

出展:日英語表現辞典 最所フミ著 ちくま学芸文庫、はしがきより

ということで、この辞典は普通の英和・和英辞書を読んでいると言うよりは、英英辞典を読んでいる感覚に近い印象を受けます。

著者について

著者の最所フミさん(1908年 ー1990年)は津田塾大学→ミシガン大学、同大学院を出られ、NHKで英語ニュース、JAPAN TIMESの映画評論を英語で執筆され、英語学習に関する書籍を数多く出版されています。

この翻訳家の世界ではとても有名な方とお見受けし、さまざまな著名人とのエピソードがネット等で見つかります。私は不勉強ながら存じ上げませんでした、翻訳家の世界もちょっと覗いてみようと思います。

読んでみての感想

読んでみて思うのは、辞典というよりはエッセイを読んだような著者の英語への思いや造詣の深さを感じました。

英語表現だけでなく、日本語の使い回し方も現代には見られない重厚で、また翻訳家(もしくは国際人)としての心構えのようなものまで感じ取れるため、日本人としても勉強になります。

もちろん、目からウロコな発見もたくさんあります。

いくつか引用させていただくと

admitしないということは、「負け惜しみ」とおぼえておけばよいと思う。

出展:日英語表現辞典 最所フミ著 ちくま学芸文庫

「認める」といえば”admit”, “permit”, “approve”などいろいろありますが、それらの違いを理解できているか?という話です。

他にはCountryの欄では

この言葉は元来相当の広がりをもったlandのことで、”region”, “district”と言いかえられる。特にある特徴をもったareaのことに使う。

出展:日英語表現辞典 最所フミ著 ちくま学芸文庫

と書いています。countryって「国」じゃなかったの?っていうのが、いかに日本語のフレームで英語を考えていたかと思いました。

あと”Banana Republic”ってどういう意味か?これも意外な意味を持っていました。ちなみに同僚のアメリカ人はその背景の意味を知りませんでした。

和英の欄でも英語で言おうとしたことも無いような日本語を英語に訳しています。
「事なかれ主義」って英語で何ていいますかね、みたいな。

まとめ

英語に自信がある方もぜひ読んでいただけたら、新しい発見が多い辞典だと思います。

若干、時代背景から古い表現もありますが、非常におすすめ。

 




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