先日「熱性痙攣」を発症し、ベルギーで救急車を手配しました。
痙攣の最中、妻は平静を保てていましたが、私はというと人生の中でもっとも焦った瞬間のひとつでした。
40℃の発熱からの熱痙攣
とある週末、私たちの住む街で開催されていた小さなお祭りに行き、釣りゲームで景品をゲットした娘。
家に帰ると38℃くらいの熱があることが判明。
帰った途端、だるそ〜うにグッタり。
熱が出ることはよくあることなので、解熱剤は飲ませずに安静にさせていました。
そのまま夜になっても熱は下がらず、寝ている間には40℃まで達しました。
娘はハァハァと大きく息をしながら苦しそうに寝ていました。
時刻は夜中の12時を過ぎた頃、突然。
ガクガクガクガクッ!!
と娘が痙攣を起こし始めました。
私は最初状況を何のことか状況が飲み込めませんでした。
妻は

と冷静を保てていました。
娘は意識がなく、ガクガクと痙攣が続いています。
それが1〜2分続いたころでしょうか(とても時間が長く感じました)娘の顔にチアノーゼが。
熱性痙攣であれば必ずしも救急車を呼ぶ必要は無いことを後知恵で知りましたが、初めて熱性痙攣を体験した親はおそらく救急車を呼んでしまうと思います。
痙攣自体も激しいものですし、チアノーゼが極め付けです。むしろ、これを見て救急車を呼ばないなんて、できるものだろうか。

こういう時、母は強い。
救急に電話→救急車で大学病院へ
ちなみに現在はヨーロッパ全体で救急番号が112番に統一されています。
幸いオペレーターは英語が通じ、熱性痙攣でチアノーゼが出ていることを告げると救急車を手配してくれました。
5分ほどで救急車が到着。
その頃には娘の痙攣は終わっており、グッタりしているものの意識は戻っていました。
救急車に乗って、救急隊員に色々聞かれた後、検温、座薬を実施。
そして、サイレンを鳴らして近くの大学病院まで搬送されました。
大学病院に着くと娘の身分証明としてパスポートを提出。カルテを作るためかな?
小児用の救急室に入り、アジア系の医者が丁寧に対応してくれました。
熱性痙攣で間違いなさそうでしたが、念のため血液検査と尿検査を行いました。
血管が細いため採血はなかなかうまくいかず、何人もの看護師・医者が代わる代わるに採血をしてなんとか完了。
検査結果はどの項目も陰性ということで、熱性痙攣だろうと結論となりました。
念のため一晩入院することになり、個室入院。
本来は付き添いの人は1人までしか宿泊できないとのことでしたが、一晩だけということで許可が下りました。
看護師の人はガタイのいい男の人で、夜間も何度も見てくれて親切でした。
ただ、日本のように院内に夜間でもやっている売店は見つからなかったので、オムツやお水、食べ物などは家から持って行った方が良さそうでした。
私たちは看護師に替えのオムツを頼みましたが、忘れられてしまったのか最後まで持って来てくれませんでした。
翌日退院
翌朝、8時くらいに先生の往診。
特に問題無いということで、退院。
また熱性痙攣が起こったら、救急車呼んでもいいよと寛大なコメントをいただきました。
受付で診察代と入院費のうち50ユーロを前払い。残りは請求書で自宅に送られるのことでした。
入院時に預けたパスポートはここで返してもらえました。
診察代・入院費・救急車代の支払い
診察代・入院費は50ユーロ分を退院時に前払いしましたが、残り分はずいぶんと後になって請求が来ました。3ヶ月くらい後だったと思います。
さらに救急車代は忘れた頃、なんと半年後に請求が来ました。すでに日本に帰任してたらどうするんだろ。
ちなみにベルギーでは救急車は民間で経営されているようで、別で請求が来ます。
- 診察代・入院費は200ユーロほど(前払い50ユーロ含む)
- 救急車代は60ユーロほど
でした。
ベルギーでの熱性痙攣
後日談ですが、ベルギーでは熱性痙攣の知名度が日本よりも低いようです。
子持ちの現地人同僚に聞きましたが、誰も存在自体知りませんでした。
これは後知恵ですが、西洋人はアジア人に比べて熱性痙攣になりにくいらしく、日本人は最大10%程度の子供が熱性痙攣になるのに対して、アメリカ人や西欧人は最大5%しかならないらしいです。
これが理由でヨーロッパでは熱性痙攣の知名度が低いのかもしれません。
まとめ
今回は大事に至らなくて良かったですが、今後のためにも良い経験ができました。
下記は常日頃から体に覚えこませておくことを理解しました。
- かかりつけ医の電話番号
- 救急車の電話番号
- 主要な病名の英称
特に病名や症状などは英語がかなりできる人でも知らないことが多い分野だと思います。
簡単なものだけでも覚えておくと、もしものときに役に立ちそうです。